マイクロソフト リサーチ CORE 連携研究プログラム 第 12 回共同研究プロジェクト募集のお知らせ

マイクロソフトリサーチ(Microsoft Research以下、MSR)ではCOREと呼ばれる共同研究プロジェクトの公募を今年も開始いたします。COREは(Collaborative Research)の略で、その名の通りMSRとの共同研究を支援するプログラムで、今年で12回目を迎えます。MSRの日本の大学連携のプログラムの中でも、最も重要なプログラムの一つであり、より多くの皆様に活用していただきたいと思っています。今回はその改めてプログラムの特徴と、今年の公募のポイントをいくつかまとめておきたいと思います。

COREは主に1年間の共同研究プロジェクトに対して、100万〜300万円の研究費を支援するプログラムです。他のファンディングプログラムと比べた場合、以下の3つの特徴があります。

・MSRとのネットワークを構築できる

・寄附金(委任経理金)として研究費を提供

・優れたプロジェクトには継続サポート

一つ目はCOREを特徴づけるもっとも重要な点です。COREの研究費自体それほど大きいものではありませんが、COREの共同研究を通じて、MSRの研究者へのアクセスができること、また彼らを共同研究の相手として活用できることは、金銭的なものに変えられないと考えています。COREの研究代表者はは研究成果を発表する毎年のレビューミーティングに、研究開始時および研究終了後に参加することが求められており、そこでもMSRの研究者とのディスカッションの機会を持つことができます。また、MSRではRedmondでのFaculty Summitや北京でのAsia Faculty Summit、その他いろいろワークショップやシンポジウムを開催しています。基本的に過去のCOREの採択者は招待者の候補として取り扱われますので、COREの枠以外でもさまざまなチャネルでMSRとのネットワークを広げる機会が提供されています。

二つ目はに関しては、プロポーザルの段階では予算計画は求めており、審査の重要な部分となりますが、採択およびプロジェクト実施後、MSのから経理報告を求めることはありません。政府系(特に本省)のファンディングは経費の細目が決まっており、予算段階の計画から大きく外れた支出は困難なことが多いですが、COREに関してはプロジェクトの予算執行にあたっては各大学の寄附金の運用にお任せしております。政府系のファンディングを持っている方でも、COREの寄附金と合わせてうまく活用することで、効果的にそれらの研究費も使用することができると思います。

三つ目の特徴としては継続プロジェクトのサポートがあげられます。2年前から取り入れられた制度になりますが、レビューミーティングで評価の高く、今後も連携が期待されるプロジェクトに関しては、継続(1年間)の研究費をサポートしています。過去の実績ではおおむね3分の1のプロジェクトが継続のサポートを受けています。COREの採択者は翌年のCOREの公募に応募することはできませんが、この制度をうまく使うと、ギャップイヤーもサポートされるため、理論上毎年研究費のサポートを受けることができます。

以上が主なCOREの特徴となりますが、今年からよりMSRとのコラボレーションを促進するために、プログラムにいくつか修正を加えました。以下、今年の変更点を少し詳しくご説明いたします。

・研究トピックの廃止とカテゴリの明確化

・研究期間中のインターンを推奨

まずは、研究トピックの廃止です。過去、公募にあたりコラボレーションを期待する研究エリアとしてMSRから5〜6の研究トピックを参考にあげておりましたが、今回は特に設けておりません。過去、公募要領にある研究トピック以外の研究提案も受け付けてはいましたが、実際のところあまり提案がありませんでした。今回の意図としてはMSRが考えるトピックに偏らないよう、またMSRの各ラボとコラボレーションできる提案を前広に受け入れたいということがあります。そしてCollaborative ResearchとBlue-Skyの二つのカテゴリを設けました。Collaborative Researchではどのような研究トピックもOKですが、コラボレーションを希望するMSRの研究者をきちんとノミネートする必要があります。そしてBlue-Skyはコンピュータサイエンスや情報科学と他分野の連携を促進する学際的な研究領域の研究プロジェクトを募集するカテゴリーになります。特にMSRの研究者をコラボレーターとしてノミネートする必要はありませんが(もちろんノミネートを歓迎します)、MSのプラットフォームを活用していただくことが前提となります。単にウィンドウズやMSオフィスを使用するといったことではなく、コンピューティングプラットフォームとしてのMicrosoft Azureの活用やMSRで提供しているリサーチツールなどの利用が期待されています。現在Redmondのチームで公募を行っているCatapultや、日本はまだ未発売ではありますがSurface HubMicrosoft Bandなどを活用した提案も期待したいところです。

そして研究期間中のインターンのMSR Asiaへの派遣を推奨しています。昨年度CORE10では、東京大学の川原先生、NAISTのNeubig先生のプロジェクトでは、プロジェクトの期間中にインターンが派遣されており、コラボレーションを非常に効果的に進めることができました。CORE12の研究期間は2016年4月~2017年3月になりますが、その期間を含めたインターンの派遣を提案時にご考慮いただきたいと思います。インターンについては別途予算がありますので、ご提案の予算に含めていただく必要はありません。

以上、COREではハイリスクな研究提案を募集しています。過去採択になったプロジェクトとそのサマリーレポートはこちらで確認することができます。今年の締め切りは9月24日(木)です。たくさんのご応募をお待ちしております。

広告

MSR Intern Beijing(経験者)のご紹介(第54回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第54回は、北京のラボに滞在していた、京都大学の梅本 和俊さんです。梅本さんは現在京都大学の大学院情報学研究科の博士課程に在籍され、田中克己先生の研究室でWebサーチにおけるユーザの行動に関する研究を行っている方です。

(写真取り寄せ中)

 

## 所属、学年、研究室

京都大学 大学院情報学研究科 社会情報学専攻 博士後期課程3回生 田中研究室

## 修士論文・博士論文のテーマ

「ユーザ行動分析に基づく検索意図検出」に関する研究

Web検索では,高々数個のキーワードからなる検索クエリが使われがちです.こうした短いクエリの背後に存在するユーザの検索意図を推定し,個々のユーザの意図に応じた情報を提示することが,私の研究の目的です.また,ユーザの特性が検索行動に与える影響にも興味があります.

## インターンに来たきっかけ、目的

2013年9月にMSRA Fellowship Programの面接でMSRAを訪問した際に,同機関の研究者であるRuihua Song博士に私の研究内容を紹介する機会がありました.残念ながらFellowshipの受賞には至らなかったのですが,帰国後に同博士からインターンシップのお誘いを頂きました.お互いの研究テーマがとても近かったことや,インターン経験者である研究室の先輩からMSRAの魅力をいろいろと伺っていたことから,インターンシップへの参加を決意しました.

## MSRと大学の研究室と異なるところ

私が所属したKnowledge Miningグループでは,「研究の進捗や方向性については主にメンターと一対一で議論し,ある程度進展した段階でグループメンバーに結果を発表して意見交換を行う」という形式で研究を進めていました.この点については,私の研究室の方針と大きな違いはありませんでした.

一方で,以下の点では研究室との違いを感じました.

### 席の割り当てが適当

大学にいる時は,研究室ごとに建物や部屋が異なるため,研究室内のメンバーと時間を過ごすことが多かったのですが,MSRAインターンの席の割り当ては所属グループとはあまり関係ないように見受けられました.結果として,自分とは異なるグループに所属するインターンとも交流する機会が増えたので,これはこれでアリかなと思いました.

### 豊富なリソース

研究室の場合,同じ分野については詳しい人がいますが,少し離れた分野になると調べるのに苦労することがあります.MSRAにはさまざまな研究/開発グループが存在するため,それぞれの分野での専門家が数多くいます.そのため,研究を進める上で壁にブチ当たったとしても,適切な人から適切なアドバイスを受けることができます.

研究リソースについても同じことが言えます.MicrosoftはBingというWeb検索エンジンを提供しているため,実ユーザの検索ログを大量に保有しています.大学にいるとこうした生データを扱える機会はあまりないため,情報検索系の研究をしている学生にとってMSRAインターンシップはかなり魅力的だと思います.他にも,情報検索用のデータセットや機械学習用のライブラリも潤沢に存在している,という印象を受けました.

## MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

限られた時間の中で結果を出すことが求められているということもあってか,学年に関係なく多くのインターンが研究に対して高いモチベーションを持っているように感じました.こうした優秀なインターンと切磋琢磨しながら,集中して研究に打ち込むことができたことは,大変貴重な体験になったと考えています.また,有名な研究者と知り合うことが出来たことも,インターンシップに参加してよかったことの一つです.

一つ衝撃的だったのは,何人かのインターンが,優秀な能力を持っているにもかかわらず,研究の方向性に苦悩していたことです.彼らは,現在の研究テーマの将来性に限界を感じていたり,研究分野を変えて新たなチャレンジをしようとしたりしていました.また,夜遅くまで残って研究しているインターンの姿を見かけることもよくありました.苦難を乗り越え,努力を続けることで,ようやく彼らと同じ土俵に立てるのだと強く実感しました.

## MSRのここはちょっといただけないというところ

オフィスの環境は,概ね満足でした.おやつや飲み物の供給は,階により消費速度が違いはするものの,大学にはない魅力的な要素の一つでした.他にも,種々のアクティビティやゲスト研究者の講演など,大学と同等あるいはそれ以上のイベントが用意されていました.唯一不満だったのは,オフィスの電気が夜になると一時時間ごとに自動的に消灯されることです.夜型寄りな生活をしていた自分にとっては,これだけがイライラの種でした.(社食については,他のインターン経験者の方と同意見です.)

研究環境については,ところどころ不満を感じることがありました.インターンにはデスクトップPCが貸与されることになっており,ノートPCの貸与や持ち込みは原則として許可されていません.そのため,メンターとのミーティング時には,あらかじめデータを共有しておく必要があったりして,少々面倒でした.この点に関しては,デスクや周辺機器のスペックも含めて,大学の方が恵まれているなと感じました.また,Microsoftなので当たり前といえば当たり前ですが,開発環境が全てWindowsというのも,なかなか衝撃的でした.それでも最終的には,Visual StudioとC#は結構好きになっていました.

## 北京での生活について

やはり一番気になるのは,空気に関することかと思います.今となっては,冬が近づくにつれて街が白くなるという光景は少し幻想的だったような気もします.その当時,不安がなかったといえば嘘になりますが,「期間限定だし,マスクをしてるから大丈夫」と自分に言い聞かせていました.むしろポジティブに捉えて,外の景色からPM2.5の値を予測したり,測定値が大台に乗ったことで騒いだりもしていました.

別の懸念として,Great Firewallと呼ばれるインターネット検閲システムの存在が挙げられます.このシステムのせいで,多くの有名Webサービスへのアクセスが遮断されてしまいます.この問題はVPNを用意しておけば回避できるのですが,そもそもアパートのインターネット回線が(時間帯にもよりますが)遅いため,結構ストレスを感じました.ちなみにオフィス内では,こうした問題はなく快適にインターネットが使えます.

また,同期インターンの木村さんに続くバスでの恐怖体験として,自分の乗っていたバスの窓ガラスが突如割れるという事件に遭遇しました.運転手さんが車掌さんと話し合った結果,乗客は全員その場で降ろされてバスの運行は中止になりました.その時,自分は一人でバスに乗っていたため,状況があまり把握できず,その後しばらくは怖くてバスに乗れませんでした.

…と,ここまでいくつか不満を述べましたが,それ以外の点については大変充実した日々を送ることができました.

例えば,本場の美味しい中華料理を安価で食べられるというのは,大きな魅力の一つでした.初めて食べた時にはかなり辛かった四川料理も,インターンシップ後半時には大好きになっていました.他にも,中国各地のさまざまなスタイルの料理を堪能することができました.自分一人では決して入れないようなローカルなレストランに,ルームメイトが連れて行ってくれたこともありました.

また,市内の治安がよく,夜中に出歩いてもあまり危なくないというのも,個人的にポイントが高かったです.ただし,車は何も考えずにどんどん突っ込んでくるので,「歩行者優先」という考えは捨てた方が身のためです.

多くの人によくしてもらえたことにも,大変感謝しています.あるインターンは,私がオフィスで携帯を紛失した時に,中国人スタッフへの聞き込みを行ってくれました.別のインターンは,レストランでの忘れ物があった時に,私の代わりに電話で確認をしてくれました.PCトラブルの際には,近くの席のインターンやITサポートのスタッフが解決してくれました.アパートで水道や電気に異常が発生した時は,ルームメイトが助けてくれました.インターン同士で遊びに行ったり,飲みに行ったりしたのも,とてもいい思い出です.メンターは,研究面でのサポートは言うまでもなく,他のグループメンバーと一緒に食事や観光に連れて行ってくれるなど,私のことをとても気遣ってくれました.同時期に訪問していた日本人インターンや,MSRAの日本人研究者の方々にも,本当にいろいろとお世話になりました.

## インターンに行こうか迷っている人に対して一言

英語が…とか,中国語が…とか,長期滞在が…とか,心配すればキリがないかもしれませんが,実際にMSRAに行ってみれば大概のことはなんとかなります.行かずに後悔するぐらいなら,とりあえず行ってみてもいいのではないかと,個人的には思います.日本にいては経験できないようなことが良くも悪くもいろいろあるので,ネタ話を増やすという意味でもオススメです.

MSRAに行くことが決まったら,それまでに大学の研究やタスクを可能な限り片付けて,持ち込まないないようにした方がいいと思います.滞在中に現地での研究以外にも時間をかけるのは大変だったので…

 

梅本さん、ありがとうございました。

Microsoft Research Asia Fellowship 2015のご案内

すでにtwitterや各大学の研究科には直接お伝えしておりますが、今年のMicrosoft Research Asia Fellowshipの受付が開始しており、日本では公募の形を取っています。締め切りは6月20日です。対象者や選考プロセスについては昨年度と比較して大きく変わったところはありません。日本では今年も主に博士課程のD1、D2の方々が対象となっております。

募集要項をよく読むとさらに詳しくEligibilityについて書いてありますので、自分が対象となるのかわかりにくい人は、決してその場で諦めないで、直接私もしくはプログラムの担当者にご確認をいただきたいと思います。

昨年度のプログラム開始時にはこちらのブログを書きましたが、注意事項やFAQについてはほとんど今年も同様です。相違点は応募書類の一つに、ご自身の研究を紹介するためのビデオもしくはパワーポイントの資料がありますが、こちらの制作にOffice Mixが推奨されている点ですが、必須ではありません。

昨年度の受賞者はこちらのページで紹介をされています。全体で12名(内訳:中国6名、香港1名、シンガポール1名、韓国2名、日本2名)の方が受賞されました。一昨年は10名だったのですが、昨年度は特にCompetitiveで特に予算を増やして12名にした経緯があります。

応募者は研究分野で9つのトラックに分けられ、研究分野で不利のないようにそれぞれのトラックで審査をしています。日本の過去の受賞者の方をみるとHCI系の分野の方が多いですが、それはおそらくHCIの分野の学生は分野の性質上、自分の研究をデモし、積極的にアピールすることに抵抗が少ないからではないでしょうか。もちろんHCI以外の分野の候補者もオープンに受け付けております。厳正に審査を行っておりますので、優秀な方の応募をお待ちしております。

私は優秀な学生の方は、学振やこのようなアワードを通じてきちんとRecognitionを受けるべきだと考えています。それは、これまで指導していただいた指導教官への恩返しの意味もありますし、広くはより若い学生の方々へのロールモデルとなることで研究者コミュニティへ貢献することの意味もあります。

私が担当をしていた過去8年間、この学生は応募したらいいんじゃないかなと思っていても、すでに研究費が十分あるから、他にふさわしい人がいるからといったような理由で応募をあきらめてしまうケースが何度か見受けられました。非常に残念なことです。私の好きなシャーロックホームズにこのような一節があります。

「ワトソン君。僕は謙遜が美徳だと言う考えには同意出来ないね。理論家は真実をありのままに見るものだよ。過小評価も過大評価も真実から外れることになる」「ギリシャ語通訳」より

研究者であれば真実から外れることは良くないことです。対象になる方は、自身を過小評価することなく、むしろ積極的に応募していただきたいと思います。また繰り返しになりますが、2012年の受賞者の加藤淳さん(産総研)が「Microsoft Research Asia Fellowship応募のすすめ」という素晴らしい文章を書いてくれていますので、こちらを改めて紹介しておきます。アップデートしては、当時より日本人研究者が少なくなっていることと、特に円安なので加藤さんの時より今年は得なことです。

Beauty of Programming 日本ラウンドの開催

ICPCで活躍する日本人が増え、またいろいろなプログラミングコンテストが日本でも多く開催されるようになってきました。プログラミングの得意な方たちの活躍の場が広がり、世間の注目を受ける機会が多くなることはComputer Scienceの発展のためにもとても良いことだと思います。それでは日本の外にも目を向けてみて、中国で行われているプログラミングコンテスト、Beauty of Programming(通称BOP)をご存じでしょうか。

BOPは2012年にMicrosoft Research Asiaが中国の大学生・大学院生を対象に新しく始めたプログラミングコンテストで、参加者が3850人(2012年)、13000人超(2013年)、18000人超(2014年)と年々急増しています。今年は3/19にキックオフが行われ、すでに22000人を超える参加者が登録を済ませ、過去最大規模のコンテストとなっています。

BOPでは毎年テーマを設定しています。過去のケースでいうと、Visualization(2012年)、Cloud programming(2013年)、Urban informatics(2014年)となっており、今年はArtificial Intelligenceをテーマとし、それにそったProblem Settingが行われています。さらに今年は参加対象地域をアジアに広げ、香港と台湾(2014年から)に加え、インド、日本からも参加者を受け入れることになりました。

コンテストは北京大学のPOJが提供するhihoCorderとMicrosoft Researchの提供するCodeHuntの二つのプラットフォームで行われ、参加者は自分の得意なプラットフォームで参加することができ、どちらのプラットフォームを使っても不利のないように設定をされています。日本ラウンドは5月9日(土)の15:00-18:00にオンラインで行われます。日本ラウンドの特典として以下のものを予定しております。

(日本ラウンド特典)

成績上位5名:Xbox Oneを提供、Microsoft Research Asiaのインターン候補者としてラボに推薦

成績上位2名:上記特典に加え、5月25日〜27日に中国・蘇州で行われる本大会の決勝に招待

蘇州は「上に天国あり、下に蘇州・杭州あり。(上有天堂、下有蘇杭。)」と呼ばれるほど美しい水の都市です。現在Microsoftの主要な研究開発拠点の一つが置かれ、Bingサーチ、AI、音声・自然言語処理の研究に注力し、Windows10に搭載される予定のパーソナルアシスタントシステムCortanaの開発も行っています。そのような場所でアジア各国から集まる優秀な学生の方々と、コンテストを戦って友人のネットワークを広げられることは、国内でのコンテストとはまた違った、非常に有意義な経験になるでしょう。ルールの詳細および参加の登録は以下の日本ラウンド登録サイトを参照ください。日本からも多くの方々の参加を期待しております。

 

(日本ラウンド登録サイト)

http://msbop.cstnet.cn/

 

(参考)オリジナルサイト(日本からの受付は行っていません)

http://programming2015.cstnet.cn/

MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第53回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第53回は、北京のラボに滞在している、大阪大学の駒井友香さんです。駒井さんは現在大阪大学の大学院情報科学研究科の博士課程に在籍され、西尾先生の研究室でモバイルコンピューティングに関する研究を行っている方です。

 

komai

・所属、学年、研究室

大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻 博士課程2年 西尾研究室

 

・修士論文・博士論文のテーマ

アドホックネットワークにおける位置依存サービス(k最近傍検索など)に関する研究

 

・インターンに来たきっかけ、目的

所属研究室の先輩が以前MSRAインターンに参加しておられたため、ゆくゆくは自分も修行?に行ってみたいなぁと思っており、公野さんを通じて応募させていただきました。ただ単純に、海外で研究なんてかっこいい!というちょっとミーハーな気持ちもありました。

 

・MSRと大学の研究室と異なるところ

大きな違いは感じませんでした。ただ、大学の研究室では毎週決まって近い研究をしている数名でミーティングを行っていたのに対して、MSRではグループ全体でミーティングというよりは(おそらくグループ内のインターン学生が扱っている内容がそれぞれ独立しているため)、メンターの方と相談しつつも、より個人でしっかりと研究を進めることが求められている印象でした。

 

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

素晴らしい研究者の方々がいるのはもちろん、同じインターン学生にもとても刺激を受けています。インターンの学生は、博士が多いのかなと思っていたのですが、大学4年生でインターンに来ている人も多く、覇気・活気があります。その多くが海外の大学への進学など目標を持って研究に励んでおり、実際海外の大学からのオファーを受けている姿を見ると、自分も頑張らなくてはとうかうかしてはいられない気持ちになります。

 

・MSRのここはちょっといただけないというところ

とてもよい環境だと思うので、強いてあげるならですが、英語での講演がほとんどないということでしょうか。多くの招待講演が行われているのですが、基本的には中国語だったので。

 

・北京での生活について

オフィスはとても快適です。ごはんもおいしく、みんなでわいわい食べる中華料理は楽しみの一つでした。また、オフィスの近くには、たこ焼き店、回転ずし、豚骨ラーメン店などもあって、なんとなく親近感でした。ただ、街中では英語がほとんど通じないので、もっと中国語を勉強してから来たらよかったなぁと何度も思いました。唯一わかる“謝謝”を多用しつつ、とりあえず笑っとけという感じだったため、まぁまぁ怪しかった気がします。冬の北京は、ものすごく寒いとびくびくしていたのですが、意外に大丈夫でした。ただ、乾燥はすごいです。洗濯物はすぐ乾いていいのですが。また、私のインターン期間中は旧正月をはさんでいたこともあって、オフィスから町中すべてがお正月ムードで、飾り付けられていて楽しかったです。中国人インターンの友達はみんなとてもフレンドリーで、次々に出てくる日本のアニメ、マンガ、歌手に、私の方が教えられたりしました。名探偵コナンの浸透ぶりにはびっくりしました。

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

私自身、英語が、研究のスキルが、、と不安な理由をつけて尻込みしてしまっていたのですが、英語大丈夫かなぁ→中国語の100万倍わかるやん!目から鱗!というかんじで悩みが悩みというほどではなかったことに気づき、もっと早く来ればよかったと思うくらいでした。迷っているくらいなら、応募してみるのがよいと思います。

 

・その他なんでも

実は、初めての長期海外滞在で、一時期プチ?ホームシックになってしまったのですが、わざわざ時間を作って話を聞いてくださったり、ルームメイトを探してくれたり、いろいろとサポートしてくださいました。感謝です。超安心のサポート体制です!なので、安心して研究できると思います。

駒井さん、ありがとうございました。

MSR Intern Beijing(経験者)のご紹介(第52回)

Microsoft Researchインターン経験者のご紹介。第52回は、北京のラボに滞在していた、東京工業大学の木村大毅さんです。木村さんは現在東京工業大学の大学院総合理工学研究科の博士課程に在籍され、長谷川修先生の研究室でAIに関する研究を行っている方です。

 

image

 

・所属、学年、研究室

東京工業大学 大学院総合理工学研究科 知能システム科学専攻 博士3年 長谷川修研究室

 

・博士論文のテーマ

ロボットのための人工知能

修士では、主に画像を用いた高速な物体認識を研究していました。

博士では、ロボットが持っている画像以外のセンサ情報も対象にして物体認識や環境認識の研究をしています。また、ロボットの動作に対する学習方法などについても研究しています。

 

・インターンに来たきっかけ、目的

画像の国際会議に出席していた時に、メンターである松下さんと出会い、その会議で多くの論文が採録されているMSRではどのように研究を実施しているのかが気になり、会議が終わった後にCVと共に連絡してみました。その後、快く承諾して頂き、インターンに参加することになりました。

また、就活の前に企業の研究所では、どのように働くのかなどを体験してみたかったという目的もありました。

 

・MSRと大学の研究室と異なるところ

私の研究室ではコアタイムなどがなく出席に関して自由であったが、MSRでは会社ということもあり朝から研究しています。

また、基本的に徹夜などは容認されていなく、その辺に対しては(健全な)会社らしさというものを感じています。

研究に関しては、大学に比べて、スピードが非常に早いと感じています。期間が決まっていることも関係しているとは思いますが、周辺研究の調査や実験などをスムーズに実施しております。

また自分のディスカッションに、途中から、同じ研究グループのDavidさんも参加して頂いております。他の研究者と容易に議論ができる環境は、とても有意義だと感じています。

 

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

多くの論文を出している研究所の雰囲気を肌で感じることが出来るのは、とても刺激的です。

例えば、ある国際会議の提出間際の時、執筆原稿を読みながら廊下を歩いているインターン生や、全体的に少しピリピリとした空気などは印象的でした。

そして、様々な国の学生や研究者と出会い、色々と話をしていく内に、自らの研究の周辺分野に関する知識不足などを痛感しております。

自分の弱さというものを確認できたことも、とても良かったです。

 

・MSRのここはちょっといただけないというところ

基本的にMicrosoft製品しか使えないという環境は、少し不便を感じるときもあります。

先日、Linux上で開発が広く行われているツールがあったのですが、最終的には、そのツール以外のWindows上で実行可能な他のツールを活用しました。

また、セキュリティのために、持ち運び可能なノートパソコンを使えないことが挙げられます。

時に、場所を変えて研究したいと思うときがあるが、ノートパソコンが無いため自分のデスクから動けなく、その点は少し残念です。

 

・北京での生活について

基本的には満足しています。

例えば、レストランは、中華料理を始めとして、日本料理やイタリア料理など多種多様に存在しています。そのほとんどが美味しく(日本料理はあまり美味しいと感じたことがありませんが)、食に対しても充実しています。

ただ、PM2.5による空気汚染は非常に深刻です。毎日、その指数を確認しながら、工場で用いるような防塵マスクを付けて通勤するのは、健康に対して不安を感じています。

また、人集りの観光地でスリに遭遇していないなど、治安は思った以上に良かったという印象を受けています。

ただ一度、深夜のバスに乗っていた時、後ろに座っていた女性が(護衛のためか)裸のナイフを取り出し、手に持ったまま座っていた時は、身の危険を感じました。

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

強くお勧めいたします。

新しい環境で研究や生活を行ってみると、自分の強さや弱さ、日本の良さや悪さが見えてくると思います。

また最後に、これからインターンに行く方は、複数のVPN環境とSIMフリーの携帯端末の持参をお勧めいたします。

向こうでは、多くのインターネットサービス(GmailやFacebook、LINEなど)が使えない現状があり、アパートではVPNなしで使用出来ません。更に、自分は2種類のVPNを用意したのですが、片方が使えませんでした。

中国のSIMカードは非常に安いです(月々100円程度のプランもあります)。外で通信可能な携帯があることにより、他の人との連絡や、観光時の帰宅方法等の検索、レストランのお勧め料理の確認などができるようになります(その場合、中国製のWeChatやBaidu

Map、Dianpingなどのアプリが必要です)。

 

木村さん、ありがとうございました。

MSR Intern Beijing(経験者)のご紹介(第51回)

Microsoft Researchインターン経験者のご紹介。しばらく更新をさぼっておりましたが、インターンの方がいなかったわけではありません。第51回は、北京のラボに滞在していた、慶應義塾大学の尾形正泰さんです。尾形さんは現在慶應義塾大学の大学院理工学研究科の後期博士課程に在籍され、今井倫太先生の研究室でにHCI関する研究を行っている方です。

clip_image001

・所属、学年、研究室

慶應義塾大学理工学研究科、D2、今井研究室

・修士論文・博士論文のテーマ

NUI(Natural User Interface)

・インターンに来たきっかけ、目的

2013年11月にMSRA fellowship awardを頂いたときに、福本さんにお誘いをいただき、年明けに行きました。以前から某社での福本さんの研究を拝見していたので、貴重な機会だと思って応募しました。(Fellowshipをもらうとインターンの機会も付いてきますので、ぜひ博士課程の学生は応募してみてください。)

また、それとは別に純粋に中国に行ってみたいという気持ちもありました。

・MSRと大学の研究室と異なるところ

インターンに来ている学生が真剣に研究している姿が印象的でした。ほとんどは修士か博士課程の学生ですが、たまに中国の大学に通う学部4年生もインターンに来ていて、能力の高い学生が集まっています。中国の大学院の上澄みが来ているので当然といえば当然なのですが、モチベーションが高い学生同士が同じ空間に集まって切磋琢磨する環境があるのは羨ましいところです。会った中では、多くはないですが日本、韓国、アメリカ、シンガポールからくる人もいました。

また、アカデミックでの研究活動と比べると、研究者も研究の時間を十分に確保できるという印象を受けました。私以外のインターンを見ていても、メンター(インターンを引き受ける研究者)とのディスカッションが多く、インターン自身が目標設定やタスク管理ができていると感じました。メンターが持てるインターンの数も決まっているので、インターンとの研究に終始してしまうことはなく、現役で研究している方が多いようです。メンターとの相性・研究分野がぴったりはまれば、研究する人にとってこれ以上の環境はないと思います。

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

メンターが日本人だったことが幸いしてか、厳しい指導を受けながらも、色々と学ぶことができました。デモやアプリケーションを作成する際には、メンターのチェックが通るまで繰り返し作業していました。今まで大学の研究室で目指していたレベルとは異なり、今後の研究において自分の目標も高く設定することができるようになったと感じます。

他のインターンも朝から晩まで研究ずくめなので、そういう環境に身をおくこと自体が良い体験でした。

・MSRのここはちょっといただけないというところ

− 最初は美味しいと思った社員食堂も一ヶ月すると飽きます。メニューには当たり外れがあり、炒め料理の玉ねぎはなぜか火が通っていないことが多いです。

− 会社の窓ガラスがたまに割れて落ちます(ガラスに不純物が多いため。最近は半年に1回程度らしい)。強化ガラスなので空中で細かくなって当たっても大丈夫とは思いますが、朝出勤した時にビル周辺がガラスが散らばっているとびっくりします。

・北京での生活について

中国に対して偏見を持っている方もいるかもしれませんが、個人的には(環境汚染がなければ)楽しく住めると思います。余談がおおいのですが、私が気に入ったポイントを纏めてみました。

1)食事が美味しい

物価上昇が続いている中国ですが、食費に関しては和食を除けば日本より安いです。四川、雲南、上海などの中国各地の料理を日替わりで食べられます。スパイスマニアまたは美食家なら、四川料理・火鍋はもちろんのこと、雲南料理、新疆料理は欠かせないでしょう。MSRAの周辺はオフィス街ですし、隣の区画には大学があるので学生街も多く、美味しいお店が軒を連ねています。後述のレストラン検索を使えば北京のほとんどの美食にたどり着けます。

2)優しい・おおらか

コンビニやレストランの店員はぶっきらぼうですが、根は優しいです。99%の人は英語を話せないのですが、筆談やジェスチャーで助けてくれる人もいます。あまり愛想笑いはしないので最初はとっつきにくい印象を受けましたが、慣れればそちらのほうが自然でいいです。電車では列の順番を守らなかったり、無理やり押したりする人が多いですが、逆に言えば日本ほど気を使わなくていいので、楽といえば楽です。

3)オンラインサービス

中国では日本以上にオンラインサービスが充実しており、人口の多さも手伝って多種多様なサービスがあふれています。特筆すべきは「大衆点評」と「タオバオ(淘宝網)」です。点評は日本のレストラン検索サービスを使いやすくして、SNS機能を充実させたような感じです。地図・周辺検索、価格・ジャンルの絞り込みなど、機能が充実していて反応も速いです。ユーザによる写真投稿もあり、漢字の料理名がわからなくてもイメージをつかめます。

タオバオはアリババが運営するBtoCサイトで、楽天市場のような雰囲気です。唯一違うのは、日本では手に入らないような上流の工業品が普通に売られていて、「無いものは無い」状態です。国内ではあまり小売していないような電子部品をバラ売りで注文したり、大型のアクリル板、格安の電気ケトル鍋(注1)、制御基板(注2)などを買ってみましたが、ある程度注意は必要なようです。

注1)ステンレスが溶出していたらしく、金属中毒で蕁麻疹がでたので病院へ。

注2)組立時に電極を間違えてコンデンサが爆発、破片が顔に当たりまた病院へ。

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

研究が好きな人はぜひ来たほうがいいです。メンターが中国人の方でも英語はどうにかなりますし、中国での暮らしもどうにかなります。大気汚染も対策できます。

・その他なんでも

中国の大気汚染は年々深刻化しており、特にPM2.5は時間が立ってから健康に影響が現れるので注意が必要です。しかしながら日本の歴史にも公害があり、濃度が薄いだけで東京の大気も少しは汚れています。大気汚染はマスクをすれば防げるので、怖がらずにインターンに来るのがいいかと思います。

私は3M防塵マスク(6000/2091-RL3)を着用していました。気管支が弱い人・ガス臭が気になる人は、活性炭入りの2097フィルターがおすすめです。いまのところこれがベストですが、見た目が気になる方は使い捨ての防塵マスクをご使用ください。日本だと職質されてしまいそうな格好ですが、公安も駅の職員もあまりやる気が無いのか、地下鉄駅に設置されているセキュリティゲートも難なくクリアできました。

 

尾形さん、ありがとうございました。また長期のインターンお疲れ様でした。