Microsoft Researchインターンのご紹介。第55回は、北京のラボに滞在している、東京大学の平木剛史さんです。平木さんは現在東京大学の大学院情報理工学系研究科の博士課程に在籍され、苗村先生の研究室でAR/VRやHCIに関する研究を行っている方です。
・所属、学年、研究室
東京大学大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻 博士課程1年 苗村研究室
・修士論文・博士論文のテーマ
ロボットなどの動く実物体を使った拡張現実感システムやヒューマンコンピュータインタラクションについて研究しています.
・インターンに来たきっかけ、目的
修士課程での研究が一段落しつつあったところで,学科の教授から興味はないかとお話を頂いたのがきっかけでした.
メンターになって頂いている福本さんの研究は論文を通して知っていて,自分の興味がある領域に近いということも知っていたので,機会があるのであれば是非にとのことで応募させて頂きました.
・MSRと大学の研究室と異なるところ
研究室で行っていた,学生への指導やその他業務などから良くも悪くも解放されるというのが一番の違いでしょうか.
また,大学における先生方は様々な業務でお忙しいことが多いかと思うのですが,MSRAの研究者の方はほぼ研究に専念されている印象です.
そのため,進捗や課題についていつでも相談でき,大学の研究室と違って早いサイクルで物事を進めることができるのかなと感じています.
また,オフィスの雰囲気が非常によく,研究者を研究に専念させようという姿勢がいろいろなところに感じられるのが研究室とは大きく違うと感じました.
・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと
前項目でも書きましたが,自分の研究に専念できる環境であるということが大きいかと思います.
同じインターン生も優秀な上にまじめな人が多く,オフィスに毎日来ては仕事をするというサイクルが自然なライフスタイルになっていると感じています.
また,様々な分野を専門としている人が集まっているので,普段ディスカッションすることのないような内容や視点での話ができ,その点はとても刺激的だと感じています.
あと,あまり研究とは関係ないですが,パントリーに飲み慣れたサントリーの烏龍茶やネスレのコーヒーがあり,15時にフルーツが提供されるのには本当に助かっています.(休みの日には閉まってしまうのが残念ですが)
・MSRのここはちょっといただけないというところ
僕はハードウェアを作る研究をしているのですが,物品の購入プロセスが非常に面倒かつ時間がかかるのでそのあたりのスピード感は日本の研究室のほうが上かなと思います.(秋葉原の有無もありますが)
また,様々な事務手続きについて要所要所で遅延が発生する場合があるので,(当たり前ですが)ゆとりをもって進めないと時としてまずいことになります.(僕はオンボードのスケジュールが結構タイトだったのですが,ビサの発給に必要なInvitation Letterが間に合わず,一週間遅れで北京入りすることになりました)
・北京での生活について
いろいろと心配していたのですが,ほとんどが杞憂に終わりました.
MSRAの近くのほっともっと(日本でもあるあのお弁当屋さんです)では日本と同様の弁当が購入でき,最初の生活の立ち上げについても,中国人のインターン生がとても親身に(それこそ携帯回線の契約から現地移動用の自転車の購入まで)面倒を見てくれたので,本当に何も心配いりませんでした.
ただ,交通マナーはあまり良くないので,道を歩いたりする際は気を張っていないと危ないです.
あと,概ねルームメイトとの寮生活を送ることになるかと思うのですが,一切プライベートスペースが無いので,その辺りを気にする人は気疲れしてしまうかもしれません.(追加料金を支払えば一人部屋にしてもらえますがかなり負担が大きいので,MSRAからのお給料で生活をしているひとには厳しいです)
・インターンに行こうか迷っている人に対して一言
日本語が全く通じない環境に飛び込むのは勇気が必要だと思いますが,来てしまえばなんとかなっているので迷っているのであれば挑戦されることをおすすめします.
(あまり無責任なことは言えませんが)
いわゆる日本企業のインターンの異なり,MSRAのインターンはメンターの研究者の方と二人三脚で研究活動を進め,トップカンファレンスにもapplyできる成果をあげることが目的だと僕は感じており,研究者として成長する絶好の機会なのではないかと思います.
・その他なんでも
MSRAへの出発直前に,MSRアラムナイの集いに(半ば無理やり)参加させて頂いたのですが,自分の専門分野を含む様々な分野の研究者の方とお話ができ,また現地での過ごし方などのノウハウも知ることができたので,MSRインターンへのapplyを考えている方は(可能かはわかりませんが公野さんとアポイントを取って)参加されることをおすすめします.
平木さん、ありがとうございました。