Microsoft Research Asia Fellowship 2017のご案内

今年度のMicrosoft Research Asia Fellowship Programが公募開始となりました。プログラムの内容に特に大きな変化はなく、D1, D2の方が対象で、応募締め切りは来月6月30日で、必要書類を応募サイトから申し込む形です。MSRの同プログラムの公式ページに詳細がありますので、そちらを参照いただきたいと思います。また、なんで応募するの?という方への定期リマインドとして産総研の加藤淳さんの素晴らしいポストを参照しておきます。

重要なアップデートとしては、プログラムの内容および主な特典(1万ドルの支援金およびMicrosoft Research Asiaでのインターンシップ)に関してはあまり変更はありませんが、応募に必要な書類に変更があります。昨年までは応募者自身による英語でのプレゼンテーションとして、ご自身の研究や今後の方向性などを説明した最長20分のビデオ、または音声を入れたパワーポイントを申請書類の一つとしてお願いしておりましたが、今年は英語で1000字以内のResearch Statementに変更されました。また成績証明書も必要としません。

事務局の意図としては、応募者の負担を減らすことがまず第一にあります。そして募集要項に「今まで行った研究および現在の研究のサマリを記載ください。より重要なのは将来の研究の方向性を明確に述べ、博士課程の研究計画を合わせて1000字以内で記載ください」とあるとおり、文章によってこれらを簡潔にかつ説得力のある形でまとめる能力を一次段階では評価したいということがあります。特に専門分野以外の人にも自身の研究の意義および研究コミュニティだけではなく社会へのインパクトもきちんと英語で説明できることは大変重要であり、博士後期課程学生としては備えておくべきスキルでしょう。事務局として特にフォーマットを設定していないのも、何を述べるべきかというところも自分できちんと定義できる力を見たいというのがあります。とはいっても全くの0からでは大変なので、参考としてCornell大学の関係するポスドクのためのページをあげておきます。ただしこれに全くとらわれる必要はありません。

過去Fellowshipは大体アジア全体で10名ちょっと、日本からは1名(多くて2名)という受賞者が続いています。本プログラムはラボとしては特に予算の制限があるわけではなく、基準を越えている学生がより多くいれば、その分受賞者を増やすことは全く問題ありません。優れた博士課程学生の数が10年~20年後の国のサイエンスのレベルを決定するでしょう。日本からより多くの応募を期待しております。

MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第59回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第59回は、北京のラボに滞在している、東京大学の鈴木惇さんです。鈴木さんは東京大学大学院情報理工学系研究科の博士課程に在籍され、山西先生の研究室で大規模機械学習に関する研究を行っている方です。

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東京大学情報理工学系研究科数理情報学専攻 博士課程一年 数理情報第六研究室
博士論文のテーマ: 非正則モデルと情報量規準についての研究

・インターンに来たきっかけ,目的:
本来は研究室助教のプロジェクトに参加する形でした。現実には中国は今や機械学習先進国ですので,少しでも勉強になったらいいなと思い乗り込みました。

・MSRと大学の研究室と異なるところ
1) 計算環境・量
計算環境が圧倒的にいいです。
第一に計算機の量が多い。かなりのGPUを使わせていただいています。
2) 計算環境・質
第二に環境の保守が研究者の義務ではなく技術者に任されている。
残念ながら日本の大学の多くは研究者が計算資源管理も行わなければならず大変手間が必要ですが,企業には計算環境を管理する部署があるので,研究に専念できます。
3) 指導者の時間
日本の大学は指導者が雑務に追われすぎで,論文でも指導者がゴーストラストオーサー化しているという話はよく聞きますが,実は中国の大学も似たような状況らしいです。
しかしMSRは,指導者と議論をする時間が比較的とれます。幸い私の研究室では指導者と議論ができていますが,中には人生で初めてまともに研究指導を受けたとおっしゃっている方もいました。
もちろん研究主体は自分にあるので研究の進め方自体は自由です。その中で,経験豊富な研究者の方々と議論ができるのは大変価値のあることです。日本や中国の大学よりもMSRのほうが健全で効率的な指導体制がとられている,というのが(悲しいですが)私を含めた実習生の皆さんの意見です。

・MSRに来てよかったところ
情報分野の研究者として良い計算環境で研究ができることほど素晴らしいものはありません。最高です。
あと,生活面でも,給与は額面上は中国国内レベルですが,ホテルと安価な食事を用意して頂いているほか,通信費や交通費が安いため,事実上,十二分どころか二十分であり,学振を最高額とするような日本の制度よりはるかに余裕のある生活ができています。また,外国人実習生に対するサポートがこれでもかというくらい手厚く,大変助かりました。

・MSRに来て刺激を受けたところ
清華大学や北京大学を初めとする同年代の優秀な研究者と議論ができることも刺激になりますが,それは日本の研究者の方々も素晴らしいので同じかと思います。
なにより,最近の研究に精通する若い学生を事実上食住付きで100人単位で雇って一気に研究させるというリサーチビジネスモデルには,大変衝撃を受けました。日本では物価面等で難しいはずで,中国でもほかの企業にはできないことだと思います。学生研究者にとっては天国のような場所です。

・MSRのここはいただけないところ
セミナーはだいたい中国語です。でもこればかりは仕方ないというか,効率重視の裏返しだと思います。社内の連絡メールは英語が併記されているので,社内の生活には困りません。
あと,研究者だけでなくいろいろな部署の人が混在する座席配置なので,困ったときに誰に何を聞けばいいか,最初は戸惑いました。

・北京での生活について
北京での生活はスマートフォンが全てです。日本よりもはるかにスマホ先進国です。
全ての支払いはスマホで行います。現金はおろか,日本で作ったクレジットカードもあまり使えません。
料理の注文もスマホで行うことが多いです。バスや地下鉄でもICカードも使えますがスマホ使用者も多く見ます。また,日本と違い自転車環境(安価なレンタル自転車・自転車専用レーン)が非常によく整備されていて,お世話になるのですが,自転車を使うにもスマホが必須です。
中国語よりもスマホが大事といっても過言ではありません。
ただし,中国にはネット規制がありますので,しっかり調べて対策をしたほうが良いです。

・インターンに行くか迷っている人に対して
お金は大丈夫です。給与は日本円にすると安いですが,実際は生活にはかなり余裕があります。
研究環境はいいです(残念ながらおそらく日本のどの大学よりも)。
英語は社外では通じません。しかしスマホがあれば生活に困りません。英語よりも中国語よりもスマホを使います。言語よりもSIMフリー端末を持っているかを気にしたほうがいいです。

・その他
現地に行くまでに欲しかった情報を列挙します。
1)設備・現地調達
洗濯機やレンジ・ケトルはホテルにあります。調理はできません。
ホテルのすぐ近くにセブンイレブンがあります。日本ほど何でも屋ではありませんが,慣れるまでの最低限の食べ物はそこで何とかなります。洗剤も買えます。
かなり綺麗な中国版百均 (コップやイヤホン,ハンドソープを買いました)や本物のユニクロ(日本よりむしろ高い)が会社の近くにあります。
日本から持っていって正解だったのは薬とトイレットペーパー(ホテルは若干補充が遅い)とビニール袋(こっちでは有料だしもらうのに中国語が必要)ですね。
ホテルのwifiはかなり悪くあてになりません。有線はありますが接続口が一本しかないので部屋を共有する場合はルーターを持っていくとよいでしょう。いずれにしてもネット規制対策は必須です。例を挙げれば,インターネット検索エンジンのリージョンが強制的に中国になるので日本語検索が極度に不便になったりします。いろいろな手段があるので事前の対策をお勧めします。

2)気候面
要注意です。
十一月中旬から三月中旬はパイプヒーターが稼働するので屋内は真夏並みに暑いです。
一方で屋外は十一月や三月の時点で東京の真冬並みです。
真夏と真冬両方の服装を持っていきましょう。

3)中国語
MSRAの皆さんは驚くほど皆さん英語がうまい一方,私が下手すぎて苦労を掛けました。
社外では英語は通じません。それでもスマホやMSRAの皆さんの助け(皆さん大変親切です)でどうにかなるんですが,中国語ができるに越したことはないです。
中国語は単語よりも声調を覚えてから訪中してください。声調さえ覚えれば少しずつ片言中国語を使えるようになりますが,声調を間違うとどれだけ漢字や単語を覚えても別の単語に聞こえるので,100%通じません。カタカナ英語の比じゃないので気を付けてください。

4)SIMカードと銀行カード
SIMカードと現地銀行の口座は北京生活の要です(各種サービス使用には両者が必須)。MSRで相談すればボランティアが付き添ってくれる(全部英語に翻訳してくれました。銀行はさすがに英語話者がいますが携帯会社は無理)ので,何が何でも最優先で作りましょう。当然日本からはSIMフリー端末を持っていきましょう。

2017年度のMSR Asiaインターンの募集について

Microsoft Researchの公野です。

Microsoft Research Asiaのインターンについて、日本からの応募に関しては今年度から新しくプログラム化され、募集の方法が大きく変わりますのでお知らせをいたします。

募集時期:2017年5月1日(月)~2017年5月14日(日)
インターン時期:2017年7月1日(土)~2018年6月30日(土)の期間のうち、3か月~6か月
対象:日本の大学に所属する博士後期課程学生
募集分野:Multimedia Analysis, Computer Vision, Video Analysis, Vision-based object detection and tracking, VR video processing, Natural Language Processing, Deep Learning, Systems and Architecture, Data Center Networking and Networking Virtualization, Mobile and ubiquitous computing, HCI device & hardware, Human-robot interaction, Security, data, Code Analytics, Blockchain, E-health, Medical image analysis
選考スケジュール(予定):
2017年5月1日~2017年5月14日 募集期間。希望者はCVと希望する分野、可能なインターン時期を明記して以下の応募先にメールでお送りください。
2017年5月14日~2017年6月2日 書類選考。書類選考通過者にのみ、電話インタビューのご連絡をいたします。
2017年6月3日~2017年6月30日 電話インタビューおよび選考結果の連絡
応募および問い合わせ先:nkuno@microsoft.com (公野)

今までは通年で受付をしておりましたが、本プログラムにおける受付期間はこの募集時期のみになります。また修士課程および博士前期課程の学生は対象とはなりませんのでご注意ください。個別にMSR Asiaの研究者にコンタクトを取って、インターンの了解を得る場合はこの限りではありません。ホスト研究者の期待しているインターン時期は各分野によって異なります。インターン時期および不明な点は上記問い合わせ先にお問い合わせください。

 

MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第58回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第58回は、北京のラボに滞在している、東京大学の石渡祥之佑さんです。石渡さんは東京大学大学院情報理工学系研究科の博士課程に在籍され、喜連川先生の研究室で自然言語処理や機械翻訳に関する研究を行っている方です。

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・所属、学年、研究室

東京大学大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻D1 喜連川研究室

 

・修士論文・博士論文のテーマ

自然言語処理、特に機械翻訳における未知語問題に関する研究をしています。

 

・インターンに来たきっかけ、目的

きっかけは大学の先輩の推薦でMicrosoft Research Asia Doctoral Consortiumへ参加したことです。このイベントでMSRAの研究者や公野さんとお会いして、「機械翻訳チームでインターンさせて欲しい」とお願いすることができました。

MSRAには、トップ会議で機械翻訳に関する論文を毎年のように発表するチームがあります。

このチームで機械翻訳の研究と開発の経験を積みつつ、一本論文を書き上げることが今回のインターンの目的です。

 

MSRと大学の研究室と異なるところ

(プロジェクトによるかもしれませんが、)研究者として関わった技術が製品として世に出やすい点が大学と大きく違うと思いました。自分が提案した技術が世界中で使われる製品やサービスに使われたりしたら、これほど嬉しいことは無いだろうな、と思います。

 

MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

自分と同じ分野の研究に取り組んでいる研究者や学生から有用なアドバイスやコメントを貰えることが、MSRAにインターンに来る一番の「うまみ」だと感じています。同じチームには僕以外に博士課程の学生が2人いますが、2人ともとても優秀なのでいつも刺激を受けています。

それ以外にも、アジアの様々な国や地域から来た学生と一緒にコーヒーを飲んだり、ご飯を食べたりしつつ、お互いの研究や文化について話したりできるのも面白いです。

 

MSRのここはちょっといただけないというところ

会社にこれといった不満はないのですが、インターン生用のホテルが少し古いです。僕の部屋は暖房の効きが悪く、毎晩ルームメイトと「寒すぎて明朝死んでたらごめんな」「死ぬときは一緒だ」などと冗談を交わしながら眠りにつきます。ちなみに、部屋によっては暑すぎて半袖で暮らせるケースもあるそうです。(羨ましい)

 

・北京での生活について

空気が汚いこと以外は不満がなく、楽しく過ごしています。北京は万里の長城や頤和園、故宮など見どころが多いので、観光も楽しいと思います。

それから、学校では学べない若者言葉の中国語を学べるのも面白いです。「牛(超強い)」 「坑爹(めっちゃはめられた) 」など、機械翻訳では訳しにくそうな語彙も覚えました。

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

迷うのであれば行ってみるといいと思います。優秀な研究者や学生が多く、刺激的で楽しいと思います。

 

・その他なんでも

MSRAのオフィスがある中関村にはスタートアップがずらーっと並ぶ「創業大街」と呼ばれるエリアがあります。ガラス張りになっている会社も多く、IT企業を自分たちで立ち上げてせっせと働く同年代の若者の姿が見られます。やる気がなくなった時に行くと、「うわ~、あいつら超がんばってるおれも負けてられないぞ」という気分になるのでおススメです。

 

石渡さん、ありがとうございました!

MSR Intern Beijing(経験者)のご紹介(第57回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第57回は、北京のラボに滞在していた、京都大学の大谷直樹さんです。大谷さんは京都大学大学院情報学研究科の修士課程に在籍され、黒橋・河原先生の研究室で自然言語処理や機械学習に関する研究を行っている方です。

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・所属、学年、研究室

京都大学大学院情報学系研究科 知能情報学専攻 修士課程2黒橋・河原研究室

 

・修士論文・博士論文のテーマ

音声対話システム上のゲームを使って、言語を理解するために必要な常識的知識を収集する方法を研究しています。

 

・インターンに来たきっかけ、目的

インターンが実現したきっかけは人です。お世話になった先生の紹介で201512月のalumniイベントに参加し、そこで出会った人がきっかけになって応募に踏み切りました。

僕はMicrosoftのチャットボット (日本だとりんな、中国だとXiaoice) に強く興味があり、その研究に触れてみたいと思っていました。Microsoftは最近「Conversation as a Platform」という概念を打ち出すなど、自然言語によるインタラクションに力を入れており、MSRAのチャットボットも重要度を増しているように感じていました。

 

MSRと大学の研究室と異なるところ

MSRAは大学と違って

開発チームとの連携がある: 開発グループと意見交換したりリソースを共有する機会が何回かありました

ライセンスの制限が大きい: (日本企業でも同じですが、)ライセンスの問題で研究で使うツールやリソースが制限されてしまいます

席の配置が結構ランダム: 隣の人が違う研究グループにいたりして、刺激を受けることができました

 

MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

一番目の収穫は目的としていたチャットボットの研究に携わることができたこと、二番目の収穫は良いメンターと仕事ができたこと、三番目の収穫は同年代の面白い人たちとたくさん出会えたことです。

僕が所属したNatural Language Computing (NLC) の対話グループでは、まさに僕が興味を持っていた (と同時にユーザーでもあった) Xiaoiceなどの開発に取り組んでおり、毎週のグループミーティングから刺激を受けました。また、インターンとしてそのプロジェクトに少しでも貢献できたことをとても光栄に思います。

メンターは若手研究者のWei Wuで、チャットボットの技術に関していくつも研究を発表しています。研究についてのアドバイスだけではなく、食事に何度も誘っていただいて、中国や日本の文化についても話しました。また、NLCグループのMing Zhouにも親切に声をかけていただきました。

他のインターン学生との交流も忘れられません。皆研究に対する情熱が強く、話をしていてとても面白かったです。

 

MSRのここはちょっといただけないというところ

– Windows + Windowサーバーでの研究に慣れるのにかなり時間がかかりました。コンパイラと文字コードにはインターン中かなり苦しめられました

– MSRAの研究者による学生向けセミナーが何度かあったのですが、中国語で話されることが多かったです。僕の中国語力は後述のレベルなので、専門用語が出てくると認識不能でした

 

・北京での生活について

英語が通じないことで定評のある北京ですが、僕は「オレ オマエ メシ クウ。ミンナ シアワセ」程度のレベルの中国語を使うことができるので、生活はほとんど不自由しませんでした。つらかったことは、散髪に行ったときに「何でもいいから中国の女の子にモテる感じにして (中国語)」と注文したところ二時間半かけてK-POPアイドル風にされたことくらいです (すごく高かった)

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

インターンに来ること自体が目的になっていたり、日本から仕事をたくさん持ち込んだりしてしまうと、幸せなインターンにはならないと思います。自分の中で整理して、人に予め相談して、不安要素がなくなっていれば、インターンに来て後悔はないはずです。

 

・その他なんでも

修士課程でインターンに来ている人は少数派なので、僕は応募するのをずっと躊躇していました。最初に書いたように、京大の馬場先生や、阪大の荒瀬先生、研究室の森田さん、MSの公野さん、指導教員の黒橋先生、ほかにもいろいろな方に相談できたことが、今回のような素晴らしい経験に繋がりました(非常感謝)

業績が、修論が、英語が、など行けない理由はいくらでも出てくると思いますが、誰かに相談してみるとスッキリするかもしれません。僕も相談されたらできる限り答えます。

 

大谷さん、ありがとうございました。

MSR Intern Beijing(経験者)のご紹介(第56回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第56回は、北京のラボに滞在していた、電気通信大学の林直宏さんです。林さんは現在電気通信大学の大学院情報理システム学研究科の博士課程に在籍され、工藤俊亮先生の研究室でロボティクスに関する研究を行っている方です。(林さんは左から3人目)

MSRA集合写真

・所属、学年、研究室
電気通信大学 情報システム学研究科 情報メディアシステム学専攻 知能システム学講座
工藤研究室 D4

・修士論文・博士論文のテーマ
博士論文テーマ “双腕アームロボットを用いた布被覆作業に関する研究”
「物を布で包む・物に布を巻く」といった柔軟物を扱う作業について、ロボット化の研究をしています。

・インターンに来たきっかけ、目的
インターン中、指導して頂いた池内先生には修士課程の時に共同研究でお世話になっており、知り合いの研究者の方の紹介で、インターンに応募致しました。海外の研究所での経験を積みたいと思い、行きました。

・MSRと大学の研究室と異なるところ
私の場合は大学で研究している時と異なり,テーマに明確なゴールラインと期限が設けられていました。ハードウェアに関するテーマを扱っていたのですが、ビジネス的な視点から期限だけでなくコスト面も考慮しなければいけない所が異なると感じました。テーマだけに注力できるような環境が揃っており、短期的な目標設定などスピーディに展開していきました。

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと
たくさんの熱心で鋭い研究者、インターン生に囲まれ、朝から晩まで雑務なく完全に研究テーマだけに没頭できるというのは最高です。研究所には様々な研究者の方々が定期的に来訪されていて、最新の研究プレゼンが聞けるというのも刺激的でした。それと、飲み物や3時のおやつサービスには休憩や糖分摂取で大変お世話になりました。

・MSRのここはちょっといただけないというところ
最初の情報登録や設定で不具合が出ていて、サポートグループによく駆け込んでいました。夜になると、一定時間でフロアの明かりが消灯されるので、スイッチ近くのインターン生が定期的に点灯しに行ってました。

・北京での生活について
社食や街などで、安い価格で日本では食べられない中華料理が食べられるのが魅力的です。中華料理なので、実際、油物も多いですが、お粥専門店なんてのもあり、食事は非常に楽しかったです。移動に関しては、バスがたくさん走っているので、市内の移動は非常に楽でした。
大変だったのは、ネット規制でVPNを通さないとアクセスができないサイトがあることでした。現地の環境ではVPNを提供するサイト自体にアクセスできない場合もあり、事前にVPNの準備もしていくべきでした。また、使用していたアパートが突然、断水したりするのには困りました。10月にお湯が出ず、水のシャワーで1週間ぐらい凌ぎました。

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言
このようなすばらしい環境で研究できることは、とても貴重だと思います。いろいろ不安にも思いましたが、行けばなんとかなるものです。

・その他
携帯電話については、現地のSIMカードを購入するか日本や現地の携帯電話をレンタルするかの選択肢があります.私は日本で海外用携帯電話をレンタルしていきましたが、出発2週間前では、安くて人気の所は順番待ちで申し込みができませんでした。色々、渡航準備がかかるので、もっと早めにこういったものや保険、クレカ等準備するべきでした。

林さん、ありがとうございました。

MSR Intern Beijing(経験者)のご紹介(第55回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第55回は、北京のラボに滞在している、東京大学の平木剛史さんです。平木さんは現在東京大学の大学院情報理工学系研究科の博士課程に在籍され、苗村先生の研究室でAR/VRやHCIに関する研究を行っている方です。

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・所属、学年、研究室
東京大学大学院情報理工学系研究科 電子情報学専攻 博士課程1年 苗村研究室

・修士論文・博士論文のテーマ
ロボットなどの動く実物体を使った拡張現実感システムやヒューマンコンピュータインタラクションについて研究しています.

・インターンに来たきっかけ、目的
修士課程での研究が一段落しつつあったところで,学科の教授から興味はないかとお話を頂いたのがきっかけでした.
メンターになって頂いている福本さんの研究は論文を通して知っていて,自分の興味がある領域に近いということも知っていたので,機会があるのであれば是非にとのことで応募させて頂きました.

・MSRと大学の研究室と異なるところ
研究室で行っていた,学生への指導やその他業務などから良くも悪くも解放されるというのが一番の違いでしょうか.
また,大学における先生方は様々な業務でお忙しいことが多いかと思うのですが,MSRAの研究者の方はほぼ研究に専念されている印象です.
そのため,進捗や課題についていつでも相談でき,大学の研究室と違って早いサイクルで物事を進めることができるのかなと感じています.
また,オフィスの雰囲気が非常によく,研究者を研究に専念させようという姿勢がいろいろなところに感じられるのが研究室とは大きく違うと感じました.

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと
前項目でも書きましたが,自分の研究に専念できる環境であるということが大きいかと思います.
同じインターン生も優秀な上にまじめな人が多く,オフィスに毎日来ては仕事をするというサイクルが自然なライフスタイルになっていると感じています.
また,様々な分野を専門としている人が集まっているので,普段ディスカッションすることのないような内容や視点での話ができ,その点はとても刺激的だと感じています.
あと,あまり研究とは関係ないですが,パントリーに飲み慣れたサントリーの烏龍茶やネスレのコーヒーがあり,15時にフルーツが提供されるのには本当に助かっています.(休みの日には閉まってしまうのが残念ですが)

・MSRのここはちょっといただけないというところ
僕はハードウェアを作る研究をしているのですが,物品の購入プロセスが非常に面倒かつ時間がかかるのでそのあたりのスピード感は日本の研究室のほうが上かなと思います.(秋葉原の有無もありますが)
また,様々な事務手続きについて要所要所で遅延が発生する場合があるので,(当たり前ですが)ゆとりをもって進めないと時としてまずいことになります.(僕はオンボードのスケジュールが結構タイトだったのですが,ビサの発給に必要なInvitation Letterが間に合わず,一週間遅れで北京入りすることになりました)

・北京での生活について
いろいろと心配していたのですが,ほとんどが杞憂に終わりました.
MSRAの近くのほっともっと(日本でもあるあのお弁当屋さんです)では日本と同様の弁当が購入でき,最初の生活の立ち上げについても,中国人のインターン生がとても親身に(それこそ携帯回線の契約から現地移動用の自転車の購入まで)面倒を見てくれたので,本当に何も心配いりませんでした.
ただ,交通マナーはあまり良くないので,道を歩いたりする際は気を張っていないと危ないです.
あと,概ねルームメイトとの寮生活を送ることになるかと思うのですが,一切プライベートスペースが無いので,その辺りを気にする人は気疲れしてしまうかもしれません.(追加料金を支払えば一人部屋にしてもらえますがかなり負担が大きいので,MSRAからのお給料で生活をしているひとには厳しいです)

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言
日本語が全く通じない環境に飛び込むのは勇気が必要だと思いますが,来てしまえばなんとかなっているので迷っているのであれば挑戦されることをおすすめします.
(あまり無責任なことは言えませんが)
いわゆる日本企業のインターンの異なり,MSRAのインターンはメンターの研究者の方と二人三脚で研究活動を進め,トップカンファレンスにもapplyできる成果をあげることが目的だと僕は感じており,研究者として成長する絶好の機会なのではないかと思います.

・その他なんでも
MSRAへの出発直前に,MSRアラムナイの集いに(半ば無理やり)参加させて頂いたのですが,自分の専門分野を含む様々な分野の研究者の方とお話ができ,また現地での過ごし方などのノウハウも知ることができたので,MSRインターンへのapplyを考えている方は(可能かはわかりませんが公野さんとアポイントを取って)参加されることをおすすめします.

平木さん、ありがとうございました。