MSR Asia Intern (滞在中)のご紹介(第3回)

Microsoft Research Asiaに滞在中のインターンの方のご紹介の第3回です。今回は京都大学の歌詠み人、加藤誠さんです。なおインタビューは6月時点のものです。

Makoto P. Kato

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・ご所属とインターンに来ているグループを教えてください。

京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学専攻 田中研究室の博士課程後期1回生です。 MSRAのWeb Intelligenceグループの酒井哲也さんのもとで研究をしています。

 

・博士論文のテーマを教えてください。

自分の知らない分野の情報を探すときに、どのような検索方法を使えばうまく情報を探せるようになるのか、について研究しています。これまでには主にアナロジーによる情報検索を提案していて、 「京都の八つ橋は東京でいったら何に当たるか?」「京都のとあるお店は中国のどの店に当たるのか?」といったような検索を可能にしてきました。

 

・インターンに来たきっかけ、目的を教えてください。

最初はとにかくどこかの企業の研究所に行きたいと考えていました。まったく同じ環境で研究していると、あまり視野が広がらないかもしれないと考えたためです。 そう漠然と考えていた時期に、大学へとMSRAの研究者が何人かいらっしゃって非常に面白い話を聞けたことがMSRAへ行きたいと思った最初のきっかけだったと思います。 その後、WebDB2009という国内学会で「インターンシップと産学連携の可能性」というイベントを聴講したのが最後の決め手でした。

一番の目的は、違う環境で何かを学ぶことでした。企業の研究所となれば、大学の研究室とは目指すところや、研究のやり方が違って、 両者のいいところを取ったらもっといい研究ができるのではないかと考えていました。

 

・MSRと大学の研究室と異なるところ

最初に来たときには、研究室とほとんど同じような環境であることに逆に驚きました。飲み物が飲み放題だったり、ラウンジにビリヤードとサッカーゲームがあったり、 大きなソファーで研究者が議論しあっていたりと、いかにも研究所的なところももちろんあります。

真面目な話では、すぐ下の階に著名な方がいてその方と議論できたり、グループミーティングでは皆一つの研究を良くするために活発に意見を出し合っていたり、 検索エンジンを持っている会社ならでは情報が扱えたりと、期待通りの素晴らしい違いもあります。

 

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

いろいろなデータを扱えるのも良いことではありますが、やはり、MSRAにしかいない人たちと研究できるのがそれに勝る良い点だと思います。 Web IntelligenceグループのリーダーであるDr. Chin-Yew Linは非常に頭が切れ、少し研究の話をしただけでたくさんのコメントをいただけます。

また、何より、大学でいう指導教官的な立場で研究の議論をしてくださる、酒井哲也さんと研究できることが一番よかった点だと思います。 私の研究している分野の著名な日本人ということで、MSRAに来たいと思う前からお名前は知っていました。なので、配属が酒井さんの下に決まったときには非常にうれしかった覚えがあります。

刺激的なのはやはり中国のインターンの方たちです。同じくらいの年代で、みな研究に対して熱心で、トップの国際学会に何本通った、などという話を聞いていると、負けてなるものかという気持ちになります。

 

・MSRのここはちょっといただけないというところ

地下の食堂の白米がおいしくないところ

 

・北京での生活について

想像していたよりも遥かに快適です。北京は都会で、地下鉄でどこへでもいけますし、タクシーも非常に安いです。言葉が通じなくても何とかなります。一ヶ月いますが、いまだにほとんど中国語を知りません。

ご飯はある意味問題で、おいしくはありますがとても油っぽく、ヘルシーな食べ物を探すのに苦労します。また量もかなり出されるので、なかなか運動しないことも重なって、体重が増えてしまいました。

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

一ヶ月おりますが、研究はもちろん、生活にも不自由していません。違う環境でがっつりと研究したい方にはとてもいい環境だと思います。

 

・その他なんでも

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも (阿倍仲麻呂)

 

加藤さん、ありがとうございました。

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