MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第59回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第59回は、北京のラボに滞在している、東京大学の鈴木惇さんです。鈴木さんは東京大学大学院情報理工学系研究科の博士課程に在籍され、山西先生の研究室で大規模機械学習に関する研究を行っている方です。

URJMRA

東京大学情報理工学系研究科数理情報学専攻 博士課程一年 数理情報第六研究室
博士論文のテーマ: 非正則モデルと情報量規準についての研究

・インターンに来たきっかけ,目的:
本来は研究室助教のプロジェクトに参加する形でした。現実には中国は今や機械学習先進国ですので,少しでも勉強になったらいいなと思い乗り込みました。

・MSRと大学の研究室と異なるところ
1) 計算環境・量
計算環境が圧倒的にいいです。
第一に計算機の量が多い。かなりのGPUを使わせていただいています。
2) 計算環境・質
第二に環境の保守が研究者の義務ではなく技術者に任されている。
残念ながら日本の大学の多くは研究者が計算資源管理も行わなければならず大変手間が必要ですが,企業には計算環境を管理する部署があるので,研究に専念できます。
3) 指導者の時間
日本の大学は指導者が雑務に追われすぎで,論文でも指導者がゴーストラストオーサー化しているという話はよく聞きますが,実は中国の大学も似たような状況らしいです。
しかしMSRは,指導者と議論をする時間が比較的とれます。幸い私の研究室では指導者と議論ができていますが,中には人生で初めてまともに研究指導を受けたとおっしゃっている方もいました。
もちろん研究主体は自分にあるので研究の進め方自体は自由です。その中で,経験豊富な研究者の方々と議論ができるのは大変価値のあることです。日本や中国の大学よりもMSRのほうが健全で効率的な指導体制がとられている,というのが(悲しいですが)私を含めた実習生の皆さんの意見です。

・MSRに来てよかったところ
情報分野の研究者として良い計算環境で研究ができることほど素晴らしいものはありません。最高です。
あと,生活面でも,給与は額面上は中国国内レベルですが,ホテルと安価な食事を用意して頂いているほか,通信費や交通費が安いため,事実上,十二分どころか二十分であり,学振を最高額とするような日本の制度よりはるかに余裕のある生活ができています。また,外国人実習生に対するサポートがこれでもかというくらい手厚く,大変助かりました。

・MSRに来て刺激を受けたところ
清華大学や北京大学を初めとする同年代の優秀な研究者と議論ができることも刺激になりますが,それは日本の研究者の方々も素晴らしいので同じかと思います。
なにより,最近の研究に精通する若い学生を事実上食住付きで100人単位で雇って一気に研究させるというリサーチビジネスモデルには,大変衝撃を受けました。日本では物価面等で難しいはずで,中国でもほかの企業にはできないことだと思います。学生研究者にとっては天国のような場所です。

・MSRのここはいただけないところ
セミナーはだいたい中国語です。でもこればかりは仕方ないというか,効率重視の裏返しだと思います。社内の連絡メールは英語が併記されているので,社内の生活には困りません。
あと,研究者だけでなくいろいろな部署の人が混在する座席配置なので,困ったときに誰に何を聞けばいいか,最初は戸惑いました。

・北京での生活について
北京での生活はスマートフォンが全てです。日本よりもはるかにスマホ先進国です。
全ての支払いはスマホで行います。現金はおろか,日本で作ったクレジットカードもあまり使えません。
料理の注文もスマホで行うことが多いです。バスや地下鉄でもICカードも使えますがスマホ使用者も多く見ます。また,日本と違い自転車環境(安価なレンタル自転車・自転車専用レーン)が非常によく整備されていて,お世話になるのですが,自転車を使うにもスマホが必須です。
中国語よりもスマホが大事といっても過言ではありません。
ただし,中国にはネット規制がありますので,しっかり調べて対策をしたほうが良いです。

・インターンに行くか迷っている人に対して
お金は大丈夫です。給与は日本円にすると安いですが,実際は生活にはかなり余裕があります。
研究環境はいいです(残念ながらおそらく日本のどの大学よりも)。
英語は社外では通じません。しかしスマホがあれば生活に困りません。英語よりも中国語よりもスマホを使います。言語よりもSIMフリー端末を持っているかを気にしたほうがいいです。

・その他
現地に行くまでに欲しかった情報を列挙します。
1)設備・現地調達
洗濯機やレンジ・ケトルはホテルにあります。調理はできません。
ホテルのすぐ近くにセブンイレブンがあります。日本ほど何でも屋ではありませんが,慣れるまでの最低限の食べ物はそこで何とかなります。洗剤も買えます。
かなり綺麗な中国版百均 (コップやイヤホン,ハンドソープを買いました)や本物のユニクロ(日本よりむしろ高い)が会社の近くにあります。
日本から持っていって正解だったのは薬とトイレットペーパー(ホテルは若干補充が遅い)とビニール袋(こっちでは有料だしもらうのに中国語が必要)ですね。
ホテルのwifiはかなり悪くあてになりません。有線はありますが接続口が一本しかないので部屋を共有する場合はルーターを持っていくとよいでしょう。いずれにしてもネット規制対策は必須です。例を挙げれば,インターネット検索エンジンのリージョンが強制的に中国になるので日本語検索が極度に不便になったりします。いろいろな手段があるので事前の対策をお勧めします。

2)気候面
要注意です。
十一月中旬から三月中旬はパイプヒーターが稼働するので屋内は真夏並みに暑いです。
一方で屋外は十一月や三月の時点で東京の真冬並みです。
真夏と真冬両方の服装を持っていきましょう。

3)中国語
MSRAの皆さんは驚くほど皆さん英語がうまい一方,私が下手すぎて苦労を掛けました。
社外では英語は通じません。それでもスマホやMSRAの皆さんの助け(皆さん大変親切です)でどうにかなるんですが,中国語ができるに越したことはないです。
中国語は単語よりも声調を覚えてから訪中してください。声調さえ覚えれば少しずつ片言中国語を使えるようになりますが,声調を間違うとどれだけ漢字や単語を覚えても別の単語に聞こえるので,100%通じません。カタカナ英語の比じゃないので気を付けてください。

4)SIMカードと銀行カード
SIMカードと現地銀行の口座は北京生活の要です(各種サービス使用には両者が必須)。MSRで相談すればボランティアが付き添ってくれる(全部英語に翻訳してくれました。銀行はさすがに英語話者がいますが携帯会社は無理)ので,何が何でも最優先で作りましょう。当然日本からはSIMフリー端末を持っていきましょう。

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