MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第33回)

Microsoft Research滞在者のご紹介。第33回は、北京のラボに滞在中、東北大学の成田和弥さんです。成田さんは乾・岡崎研究室で日本語事実性解析における問題を分析・整理し、語彙知識や言語現象を加味したモデルの構築に取り組んでいます。杜の都から来た初めてのインターンです。

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・所属、学年、研究室

東北大学 情報科学研究科 博士後期課程1年です。乾・岡崎研究室に所属しています。

 

・博士論文のテーマ

自然言語処理、特にモダリティ・事実性といった深い意味の解析に取り組んでいます。例えば、「Aを買わない」という発言があったとします。これは、Aを買うことを否定している発言だ、というのが容易にわかると思います。同じように、「Aを買うかもしれない」という発言は、Aを買うことの可能性を述べているのだと解釈できますし、「Aを買いたい」という発言は、Aを買うことに対する願望を述べているのだと解釈できます。他にも「Aを買うのをやめる」「Aを買ってほしい」「Aを買うことにした」など、「Aを買う」という命題に対して、さまざまな言い方をすることができ、それぞれ意味が異なります。私たちは、普段このような表現を意識せずに言葉を使っていますが、これをコンピュータに理解させるのは容易ではありません。このような意味を解析できるようなモデルの構築を目指して研究に取り組んでいます。

 

・インターンに来たきっかけ、目的

漠然と海外インターンに興味を持ってはいたのですが、特に何もしていなかった、というのがインターンに来る以前の自分の状況でした。そんな折、指導教員である乾先生の元に、現在のメンターである酒井さんから、誰かいい学生さんいませんか、といった主旨の連絡があり、そこに自分が興味を持った、というのがインターンに来た直接のきっかけです。

目的としては、自分の研究とは違うことをやってみたい、企業での研究というものを体験したい、といったありきたりなものはありましたが、急に決まった話であり、MSRAに対するただ漠然とした興味、というのが正直自分の中で一番大きかった気がします。

 

・インターンでの研究テーマ、目標としている会議など

評価型ワークショップであるNTCIR-10のタスク1CLICK-2に取り組んでいます。1CLICKは、ランキングしたWebページのリストを表示する既存の検索エンジンとは違い、Searchボタンを1度クリックしただけで、所望の情報を出力しようという試みです。例えばどこかの施設について検索した場合、その住所・電話番号・アクセス方法などの情報を要約し、表示することを目指します。わざわざ何度もクリックして情報を探す必要がなく、欲しい情報にすばやく直接アクセスできるようにするわけです。大学で行っている研究とはまったく違う研究ですので、日々勉強しながら取り組んでいます。NTCIRで発表することは決まっているのですが、それ以外にも何か国際会議に出すことができれば、と思っています。

 

・MSRと大学の研究室と異なるところ

正直なところ、生活している分には意外と変わらない、というのが感想です。もちろんきちんと給料をもらって働くわけですから、勤務時間等も決まっています。しかし基本的には、大学とそんなに変わらず、自由に過ごしています。ただ、近くのインターンがまったく違う研究をしてる、というのが、大学にはないことだと思います。もちろん、大学でも周りの学生は自分とは違う研究をしていると思うのですが、どうしても研究室という都合上、分野は偏ってしまうのではないかと思います。しかしMSRAでは、さまざまな分野の研究をしている人が同じ部屋に集まっています。動作を認識してもらおうとパソコンに向かって動いている光景は、自分の研究室では見られません。

 

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

皆さん言われていることですが、まわりの学生が優秀であること、だと思います。まず、中国人と話をすると、学部生?修士?のような聞かれ方をするのです。ここから分かる通り、院生だけでなく、学部生のインターンもかなり多いです。みんな英語も流暢に話します。これだけで、今までの自分のまわりの環境とは違うな、と思いました。いろんな刺激があって、いろんなことに対する自分の意識が来る前と変わっているのが、一番の収穫かな、と思っています。

 

・MSRのここはちょっといただけないというところ

研究環境に大きな不満はないです。しかし、冷房が効きすぎていて寒い、22時には自動的に電気が消える、といった細かい不満はありました。(インターン生に対する配慮が含まれているのだと思いますが…)もちろん環境はMicrosoft製品で統一されているため、普段Windowsで開発をしていなかった自分にとっては苦労する部分もありましたが、それも勉強だったと思っています。

 

・北京での生活について

基本的には物価が安いので、金銭面で困ることはそんなにないです。ただ、街の人達にはほとんど英語は通じないので、簡単な単語を覚えることになります。逆に言えば、簡単な単語を覚えるだけで、意外と普通に暮らすことができます。(基本的には何を言われているかは聞き取れないですが…)また、社内で外国人インターン向けの中国語講座が開かれるので、そこで基本的な中国語を学ぶこともできます。空気はあまりよくないですが、そこまで治安が悪いわけでもなく、慣れてみると思っていたよりも過ごしやすいです。

先日、尖閣諸島に関する大きな反日デモがありました。日系企業が中国旗を掲げて休業している、などはありましたが、基本的に自分たちが住んでいる周辺は特に何もなく平和だったと思います。それどころか、会社の中国人の方々は日本人たちを心配してくれ、いろいろ親切にしてくれました。日本で報道されているほど、中国人は悪い人達ではない、と思っています。

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

少しでも興味を持ったなら、行ってみるといいと思います。行って後悔することはないと思います。でも、悩むことも大事です。悩んだ結果、インターンよりもやりたいことがある!のようなちゃんとした理由をもって、行かないという選択肢を取るのは、大いにありだと思います。しかし、興味はあるけど不安だから、といった理由で行かないのは、もったいないと思います。自分も大きな不安がありました。何より英語です。周りの日本人と比べても、格段に話せないと思います。自分の場合はメンターが日本人だったので、そこまで頻繁に英語で話す機会があったわけではありません。しかし、やはりこちらで生活していて、英語の必要性を痛感しました。同じように、いろんな不安があると思います。でも、それだけを理由にしてしまうのはどうなのかな、と思います。悩むくらいなら、もういっそ応募してしまったほうが、意外と楽になるかもしれません。

 

・その他なんでも

MSRAでインターンをできて、本当に嬉しく思います。いろいろ言いましたが、来てみると楽しいですよ!

 

成田さん、ありがとうございました。

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