MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第31回)

Microsoft Research滞在者のご紹介。前回から非常に間が空いてしまいましたが、その間インターンがいらっしゃらなかったわけではありません。私の更新が追い付かず、その間いらっしゃっていた方々はまた別の形でご紹介したいと思います。さて第31回は、北京のラボに滞在中、お茶の水女子大学の須賀千紘さんです。須賀さんは椎尾研究室でTangible UI等の研究をされ、まだM1ですがMSR以外にもいろいろ場所へインターンに行かれている非常にアクティブな方です。

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・所属、学年、研究室

お茶の水女子大学の修士1年、椎尾研でHCIの研究をしています

 

・修士論文のテーマ

まだテーマは確定していないのですが、Tangible UI, Persuasive technologyなどの分野に興味があります。

 

・インターンに来たきっかけ、目的

お茶大の指導教授の椎尾先生が、わたしの卒研を昨年度のMicrosoft CORE8 Programに応募してくださり、採択されました。その時点ではMSRからの研究資金支給が決定したもののインターンが決定というわけではなかったのですが、その後国際学会でメンターであるMSRAのDr. Xiang Caoに偶然会って話をしたことがきっかけで、5ヶ月のインターンに来る運びとなりました。

 

・インターンでの研究テーマ、目標としている会議など

卒業研究では、「Anamorphicons: 円筒鏡面を用いたディスプレイの拡張」と題して、iPad上に置かれた鏡の筒の反射を利用した、インタラクティブな擬似3Dビューワーシステムを開発しました。 参照動画: http://jp.diginfo.tv/v/11-0221-r-jp.php

MSRAでは、鏡面物体をディスプレイ上において鏡面内の3D像を楽しむというアイディアはそのままに、新しいインタラクションや機能に取り組んでシステムの拡張に励んでします。

論文を発表する会議はまだ決定していませんが、メンターが候補として上げていた学会がどれも憧れの一流の学会なので楽しみです。とりあえずインターン終了の今年末までに新システムを完成させることが目標です。

 

・MSRと大学の研究室と異なるところ

まず、大学生は大学に学費を払って勉強をさせてもらう立場ですが、こちらでは給与をもらいます。そして、大学生活では研究以外のいろいろな活動も充実していることがしばしばですが、こちらではインターンはもちろん毎日会社に来ます。そして猛烈に働きます。個人的な印象ですが、1日12時間以上会社で研究しているインターンはざらで、さらに休日にも会社に来て働いている学生も多いです。

また、これはわたしの属するHCIグループの印象ですが、メンター(指導研究員)が非常に丁寧に、事細かにインターンの研究指導をします。わたしのメンターは特に、1日平均数時間は学生との議論に割いているように思います。

 

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

中国内外のトップレベルの研究者と学生さん達と同じ環境で研究することができるのは非常な財産です。また、中国では米国などの大学と同じく、学士卒業後(修士課程をスキップして)直接博士後期課程に進学することができるので、自分(修士)と同年代のPhD学生と一緒に研究することになり、刺激になります。とにかくみなさん優秀で真面目で、彼らの研究や議論に対する姿勢からは学ぶことが多いです。これまでの人生で中国を出たことがないのに猛烈に流暢な英語を操る学部生などにも何人も会いました。

また、メンターの指導方針により、これまでほとんど関わる機会のなかったComputer VisionはComputer Graphicsといった新しい分野を学ぶことができました。自分の専門外の分野で困ったことがあれば、MSRA内のほかのグループ(この場合はCV groupやCG group)にアポを取って相談に乗ってもらうことができるのは大変ありがたいです。

 

・MSRのここはちょっといただけないというところ

研究環境は申し分ないですが、あえて言うならば、会社が用意してくれるインターンの生活環境はもう少し改善を期待したいです。あと職場内のセキュリティ面での制約は多いです。

 

・北京での生活について

日本とは文化が違うなあと実感することはしばしばですが(趣味嗜好、情報規制、衛生観念など)、異文化体験として楽しんでします。

 

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

海外インターン応募に悩む原因としてわたしが思いつく3つの要因に関してコメントします。が、わたしも大学で研究を始めてから1年程度の超研究ビギナーなので、主に去年のわたしのような状況の学部生のみなさまに向けたアドバイスというつもりで書きます。

「研究者としての能力」 – わたしは過去1年で海外の研究機関でインターンを3回経験しているのですが、これは初めてのインターンの前の大きな不安事項でした。現地研究機関での自分のレベルは実際に行って体験してみないと判断できないものではありますが、ただ個人的な印象ですが、日本の大学の研究室で熱心に活動して活躍している人は、どこの外国へ行っても程度の差こそあれ必ず活躍できるので大丈夫です。ガンガン行きましょう。

「英語力」 – わたしも帰国子女ではないし留学経験もないので、英語は懸案事項でした。が、実体験から言って、研究に際して、「すばらしい英語力」は必ずしも必須ではありません。伝えたいことをわかりやすく示した図を用意するなどの工夫を厭わないガッツがあれば、個人と研究に関する議論をするのはなんとかなると思っています。しかしもちろん高い英語力があればより深い体験ができますし、十分な英語力がなければ大勢での議論などには参加できません。ただ、英語ができない自覚があるのなら、あえて英語環境で過ごすことで、実際に英語ができなくて困る経験を積みつつ同時並行で具体的な対策を立てて実行して現地で上達を図るぐらいでいいんじゃないかと思います。

「経済面」 – MSRのインターンは航空費も滞在費もMSが負担してくださるので何も問題無いですが、もしもその他のお金があまりもらえない海外研究機関でのインターンを考えている場合は、JASSOなどの学生支援機構が返済義務なしの経済支援プログラムを開催していたりするので調べてみましょう。

応募に必要な書類などを用意するのは骨が折れる事ではありますが、海外研究インターンの経験はいろいろな面で人生の財産になると思うので、興味のある人はとりあえず挑戦するのはおすすめです。

 

・その他なんでも

日本語も英語も完全に通じないところに住むのは初めての経験で、とても興味深いです。また、自分の外見が完全に中国人と同じなため、外国人だとなかなかわかってもらえないのも面白いです。とはいえ、レストランで料理のオーダーに必要な数単語さえ覚えてしまえば、北京で生き延びるのにはなんら不自由ありません。反日活動も、尖閣諸島の国有化を受けて一時は部で盛り上がったようですが、実際のところ日本のメディアで報道されているような極端なケースが街中全体で起こっているはずもなく、MS周辺では特に何もなく平和に暮らしています。

MSRAの人々は、研究者としても友人としても素晴らしい人ばかりです。このようなインターンの経験をすることができて嬉しく思っています。

 

須賀さん、ありがとうございました!

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