MSR Intern Redmond(滞在中)のご紹介(第18回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第18回は、レドモンドのラボに滞在中、奈良先端科学技術大学院大学の木曽鉄男さん(自然言語処理学講座)です。

松本研からは小町さんに続き2人目のインターンになります。NLPは今もっともMSが力を入れている分野のひとつでもあります。もっと多くのチャレンジャーを期待します。

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・所属、学年、研究室

奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST) 情報科学研究科 自然言語処理学研究室 博士後期課程 1 年

・博士論文のテーマ

自然言語処理における構文解析、統計的機械翻訳を対象に解析速度の高速化、省メモリ化を

主眼にした研究をしたいと思っています。

・インターンに来たきっかけ、目的

以前から、企業での研究と日本の大学での研究とでは、解決したい問題に対する意識や姿勢に違いを感じていまして、実世界でどのような自然言語処理技術が求められているのかを知りたいという思いがありました。また、アメリカの西海岸の IT企業で働いてみたかったというのもあります。

・MSRと大学の研究室と異なるところ

あらかじめお断りしておきますが、日本の大学の研究室の一般的なことは全く知らないので、あくまで「私の所属する大学の研究室」という意味において、MSRについても私の所属する 「Natural Language Processing group で感じたこと」という意味で、両者の相違点について述べたいと思います。

MSR と大学の研究室では mission が異なるので当然かもしれませんが、研究に対する目的意識が違います。特に Microsoft のプロダクトや検索エンジンなどのサービスやをより良くするために、社内にある大量のデータを活用して practical な研究をしようという姿勢を感じます。また、MSR が持っているリソース面(コードやデータ)に関する差も大きいと思います。社内のリソースを活用することによって、一からベースラインのシステムを構築する、データ収集、といったことに費やされる時間を短縮することができます。一方、大学では、修士課程で卒業する学生が多く、また何年も同じ研究テーマを継続するというケースは少なく、各々が別々の研究をすることが多いので、そういったリソースの共有は中々難しいです。

「人」に関して言うと、MSR では大学と比べて、単純に研究者の数が多いですし、最近の研究動向や先行研究についての情報を素早く得ることができると思います。また、コードをバリバリ書いている研究者やプログラマーの方が身近にいて、困ったことがあれば聞けるので嬉しいです。

一方、大学の研究室のスタッフの方は、研究室の学生の指導以外にも、出張や会議などの仕事がたくさんあるので、学生の研究指導に割ける時間が相対的に少ないと思います。生活的な面で言えば、MSR は建物が綺麗で、至る所にホワイトボードがあるのが良いです。

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

気候に関して言えば、日本(奈良)と違って涼しい夏を過ごせることですね。「12週間」という期間を危機感を持って過ごすことができるというのは一番よかったことかもしれません。もし日本にいたとしたら、同じ12週間が「長い夏休み」になってしまったかもしれません。

また、同じインターンがほぼ Ph. D. コースの学生で、自分がこれまで知らなかったこと(研究や文化、アメリカの大学の話など)を聞くことができて、毎日話題に事欠きません。中には、自分と同じような価値観を持っている人もいて、良い刺激になりました。

・MSRのここはちょっといただけないというところ

部屋の空調をコントロールできないので、寒いと感じることがあります。敷地内の食事処の多くは平日の夜、休日は閉まっていることが残念です。

・レドモンドでの生活について

緑が多く、のどかなので、週末ゆっくりと過ごすには良いと思います。天気が良い日は午後9時でもまだ明るいのが何よりうれしいですね。雨も降りますが、日本の梅雨のように雨が一日中降り続くことがほとんどありません。

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

もし、将来海外で働きたい、または海外に拠点を置くような企業で働きたい、と思っていて迷っているのであれば、インターンに応募してみると良いかもしれません。こちらに来てみて初めて分かることも多いですし、人から伝え聞いたのではなく自分の実感として得られるのが大事なのではないかと思います。インターンでは、12週間という時間的な制約がかなり大きいので、必要な作業量、時間を見積もりつつ作業をしなくてはなりません。目標を達成するために、既存のツールが使えるかどうか、実装コストはどれくらいかかるか、実装したプログラムはどのくらいの規模のデータまでスケールするか、といったことを常に意識する必要があります。

また、PCを使った作業が仕事の大半を占めるので、PC面での制約による作業効率への影響も時には大きくなるかもしれません。私の場合は大学の研究室ではWindows をほとんど使わないので、慣れている人にとっては何でもないような、ちょっとしたことで躓いてしまうことがありました。

前にも述べましたが、MSR では膨大な社内リソースを活用して、研究に要する時間をある程度短縮することができます。しかし、このことは、他人の書いたコードや(たまに)ドキュメントを読んで、必要な機能を素早く把握、理解する能力が求められる、ということを意味しています。分からない場合でも、「どこまで理解できていて、どこが分からないのか、何が知りたいのか」といったことを事情の詳しい担当者に、明確に簡潔に伝えることが重要になってきます。これは会社で働いている方や、オープンソースソフトウェアの開発経験がある方にとっては至極当たり前のことかもしれませんが、大学ではまず習わないことですし、いくら本をたくさん読んでも身につかないことだと思います。

最後になりますが、インターンされた方にも言われたことなのですが、「細かいことは気にしない」という楽観的な姿勢で生活がすることがストレスなく過ごすコツなのかもしれません。

・その他なんでも

日本のスターバックスの店員さんの方が爽やかで良いと思います。英語が上手く話せたらまた違ってくるのかもしれません。

 

木曽さん、ありがとうございました!

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