MSR Intern Beijing(滞在中)のご紹介(第17回)

Microsoft Researchインターンのご紹介。第17回は、北京のラボに滞在中、大阪大学の 白川真澄さん(マルチメディアデータ工学講座)です。

詳しくは機会を改めて書きたいと思いますが、すべての博士課程の方にとってMSRが最善のインターン場所だとは思いません。白川さんのように、熟慮の上でMSRをインターン先に選んでいただいたことは、担当としては非常に嬉しく思います。

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・所属、学年、研究室

大阪大学 大学院情報科学研究科 マルチメディア工学専攻 博士後期課程2年 西尾研究室

・博士論文のテーマ

WikipediaやWebを解析することで、概念間の関係やその繋がりの強さなど、コンピュータにとっての「知識」を抽出する研究に取り組んでいます。

・インターンに来たきっかけ、目的

Haixun Wang(現在の私のメンター)が昨年、招待講演(WebDB2010)として日本を訪れたときに、彼が主導するプロジェクトの話を聴いたことがきっかけです。このときの話を聴いてHaixunの研究に対するヴィジョンに甚く共感し、一緒に研究をしたいという気持ちが湧きました。

Haixunの研究のヴィジョンを一言で表すと、「人間の知識のあり方に学ぶ」ということです。計算機は、明確な知識(歴代の総理大臣の名前や順番など)を簡単に記憶できるのに対し、曖昧な知識(どの総理大臣が国民にとってより馴染みがあるかなど)を表現するのは容易ではありません。というのも、曖昧な知識はパターン数が圧倒的に多く、それら全ての知識をありのまま計算機に保存しておくことがほぼ不可能だからです。このような問題に対し、私は昨年の中ごろから、人間がものごとを記憶するようなやり方、つまり、曖昧な知識を曖昧なまま保持するという方法で解決しようと自分の中で大きな目標を掲げました。

Haixunの講演を聴いて、それが間違った方向性でないことを確信して自信を持ち、また、それを実際にプロジェクトとして形にしていることに刺激を受けました。

また後日、Haixunがインターン生を欲しがっているという話を聞き、これは絶好のチャンスだと思い、インターンへの応募を決意しました。

インターンの目的としては、他のインターン生との人脈を作ったり、海外にしばらく身を置いて研究に没頭したりなどいろいろありますが、一番の目的はデータベース分野の著名な研究者であるHaixunと一緒に研究をすることです。これがなければ私がMSRAに来ることはなかったでしょう。

Haixunの話を聴くまではMSRAに行く気はありませんでした。ただ海外に行くだけなら選択肢はいっぱいありますし、正直北京に半年も住むなんて、何か大きな目的がなければ無理だと思っていたからです(ちなみに今ではすっかり北京生活を満喫しています)。

・MSRと大学の研究室と異なるところ

規則正しい生活を送っている人が多い印象を受けました。研究するときは研究し、休むときは休むというスタイルで、だらだら研究しているような人は皆無です。

会社の建物内にビリヤードや卓球などの遊戯スペース、レストラン、ダンスルーム、シャワールーム、仮眠スペースなどが揃っているのは海外の企業ならではだと思いました。

・MSRに来てよかったこと、刺激をうけたこと

複数の著名な研究者、優秀な若手研究者とお近づきになれたことです。国際会議に行ったときにそのような方々と話ができるようになったというのは大きな収穫です。

刺激をうけたことといえば、周りの人がみんなトップカンファレンスを目指しているようなモチベーションあふれる場所なので、自然と自分の意識も高まります。この空気を研究室に持ち帰りたいですね。

きれいでおしゃれな空間の中で働けるのも私にとってはすごく魅力的だと感じました。

・MSRのここはちょっといただけないというところ

私の場合だけだと思いますが、メンターのHaixunはものすごく忙しい方なので、あまりミーティングをしてもらえません。4月は2回しかありませんでした。その替わり、同じ研究グループのZhongyuanとYangqiu(お二方ともまだ若いですがめちゃくちゃ優秀な研究者です)が議論に応じてくれているので、研究を進める分にはなんとかなっています。

あと、臭う人が多いです。

・北京での生活について

すぐに慣れます。私も北京に来るまでは色々不安もありましたが三日で慣れました。住めば都とはよく言いますが、まさにその通りだと思います。

また、インターン生がみんな凄まじくフレンドリーに接してくれるので、毎日楽しく過ごしています。みんなで飲みに行ったり、カラオケに行ったり、クラブに行ったり、ブレイクダンスを教えてもらったり…日本にいるときよりも遊んでいる時間が多いような気がします。

食べ物は安い・美味い・安いの三拍子です。北京に来てからあまりお金のことを気にせずに食べまくっています。中華料理が苦手な人はちょっと大変かもしれませんが、中華料理以外の選択肢も結構あるのでなんとかなると思います。

・インターンに行こうか迷っている人に対して一言

「インターンに行こうか迷っている」と先生や先輩に相談すると、だいたい「とりあえず行ってみたらいい」とかそんな感じの答えが返ってくると思います。私は、迷っているなら無理に行くことはないと思っています。素晴らしい研究は日本でも十分できます。MSRで研究することが自分にとってどの程度プラスになるか、他の選択肢と比較しながらじっくり考えてみるといいと思います。

・その他

MSRAに来て一番強く感じたことは、日本人はやはり優秀だということです。日本人に足りないのは少々の英語力と積極性です。少なくとも研究の中身で劣っているなどということはないです。

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