SIGIRについて思うこと

SIGIR2011の採択結果が本日予定通り通知されたようです。いうまでもなくSIGIRはInformation Retrievalの分野では最難関の会議です。MSRからも毎年多くの論文が投稿されており、我々にとって最重要の会議の一つです。

今年は日本人のインターンが論文を投稿されたこともあり、担当としては例年以上に採択結果が気になっていました。

トップカンファレンスに論文を通すことだけが研究ではないという意見があるのは承知していますが少なくとも、研究者として若いうちは、そういう活動に集中すべき時期があると思います。

今回、当該インターンの学生の方の論文は残念ながら採択になりませんでしたが、担当としては非常に考えさせられることが多かったので、今後、勇気あるチャレンジャー(彼を含め)が引き続き出てくることを期待し、今回気づいたことを記しておきたいと思います。

 

○研究期間

SIGIRにアプライできるレベルの論文を書くためには、構想、準備、実装、実験、検証等、少なくとも1年間そのプロジェクトに集中できる時間が必要です。特に厳しい査読に耐えられる量の実験を行うには非常に時間がかかります。MSRのインターンは最低期間が3か月ですが、とてもその期間だけで論文を仕上げるということにはなりません。そのため、インターンの期間を延長する、もしくはインターンの後に引き続き、研究を継続して日本で行う環境を作るということが必要になります。

 

○インターン期間の延長

インターン期間の延長に関して、現状ネックとなっているのは学振特別研究員の制度です。トップカンファレンスを目指すような優秀な学生の方の多くは学振DCを獲得されているケースが多いですが、学振はインターンの期間について以下のような縛りがあります。

「参加期間は、原則として年間(4月から翌年3月まで)3ヶ月以内とし、採用期間中において通算して6ヶ月以内であること」

年度をうまくはさむことで通算6ヶ月は可能になりますが、それでもSIGIRクオリティの論文を仕上げるには十分ではないと思います。もちろん学振を辞退するという手段はありますが、多く博士課程の学生にとっては現実的ではないです。優秀な学生を結果的に国内に縛り付けることになっている学振の制度は強く改善を求めたいと思います。

 

○帰国後の継続研究

したがって、3か月~6ヶ月のインターン後、日本の研究室で継続して研究を行うということが、実際多くの日本人のインターンの方が行っていることです。その際の問題は、24時間研究漬けであったMSRの環境を日本に戻ってどこまで再現できるかということです。博士課程の学生は研究室の主力です。自分の研究のみならず、研究室の運営を手伝い、「雑用」をこなし、後輩の面倒も見る必要があります。インターンの時期と同程度の密度の濃い研究時間を確保することは非常に難しいことでしょう。

またSIGIRのようなもともと日本人のプレゼンスの薄いカンファレンスに通すためには、MSRメンターとの継続的なディスカッションを行っていく必要があり、この辺りは指導教官の方の理解が求められるところです。MSRとしては引き続きインタ―ン、指導教官の方々とのコミュニケーションを密にとることで連携を深め、ハイクオリティの論文を共同で書き上げていきたいと思います。

 

分野によって程度の差はあれ、MSRのリソースをうまく活用して、SIGIRのようなトップカンファレンスでの日本人のプレゼンスを上げていくサポートをすることは日本のURの最も重要なミッションであり、MSR Japanにつながる一番の近道だと私は考えます。このようなことを改めて考える機会を与えてくれた、その学生の方に感謝申し上げます。

まだまだ次があるので一緒に頑張りましょう!

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